工学系学協会の倫理規程

以下の工学系学協会では倫理規程を定めている。

まず我が国であるが、 技術士法に基づく国家資格「技術士」の団体であるところの (社)日本技術士会が倫理要綱を定めている。 技術士会は技術倫理の普及にも積極的で、 海外の技術倫理のテキスト等を翻訳出版するほか、 技術士の試験にも「適性科目」として技術倫理を科している。 (社)土木学会は1938年という世界的にみてもかなり早い時期に 「土木技術者の信条および実践要綱」を発表している点、特筆に値する。 戦後では1996年、情報処理学会が倫理綱領を制定した。 翌年、日本学術会議基礎工学研究連絡委員会が 「工学系高等教育機関での技術者の倫理教育に関する提案」という報告の中で、 倫理規程の必要性について提言を行ったことが契機となり、 多くの学会が相次いで倫理規程の制定、改訂を実施している。 (社)日本原子力学会が2001年に制定した倫理規程は、 行動の手引としてかなり細かいことまで規定している点で注目される。

残念ながら倫理規程の制定においては欧米のほうが進んでいる。 工学系学協会ではないが、 米国医師会(AMA) は既に1847年には倫理憲章を発表している。 NSPEは日本の技術士会にあたる団体であるが、 1958年に倫理審査委員会を設置した。 その後、会員や支部から寄せられた質問(事例)に対し、 その行為が倫理上妥当であるかどうか判定し発表してきている。 その一部は 「科学技術者倫理の事例と考察」(日本技術士会訳編,丸善) として出版されているので参照されたい。 このような努力が米国での技術倫理普及に大いに役立ったことはいうまでもない。 ABET は工学技術教育の認定を行う機関で、日本の JABEEにあたる。 認定にあたっては技術倫理教育が行われていることを条件としており、 そのこともあって各種の工学系学協会の倫理規程を集大成したような綱領を発表している。

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